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目次
・「会計」って何だ?
・機械でできるか?
・機械で行うと何がどーなる?
・機械には何を使う?
・「会計」は何のために行っているのか?
・会計データを経営に役立てる方法は?
・たかが「会計」されど「会計」
まず会計処理についてお話させて頂きます。
「数値を箱の中に入れる手続き」が会計である、と言えます。
以下にそのイメージを例示しました。
イメージ@

イメージ@では、箱は3つしかありませんが、一般的に箱は100個程度用意され、それぞれの箱には名前が付けられています。会計の世界では、この箱は「勘定」、その名前は「勘定科目」と呼ばれています。
数値をその内容を示す適切な箱に入れてあげるのが会計処理です。会計の世界では、この作業は「仕訳」と呼ばれています。
1年間この作業を続けて、箱に溜まった(残った)数値合計を一覧表示すれば、決算書になります。
ただし、実際上は箱の中を更に区切ります。
売掛金を例にとって以下にそのイメージを例示しました。
イメージA
イメージAは売掛金の箱を5つに区切ったものです。
みなさんも、例えばデスクの引き出しの中を更に区切ったりして使っていることと思います。その方が、整理しやすいから区切る必要が出てくるのです。
会計の世界では、この区切られた小箱は「補助科目」と呼ばれています。
また、実際上は箱を部門に紐付けします。
売上を例にとって以下にそのイメージを例示しました。
イメージB
イメージBは売上の箱を5つの部門に紐付けたものです。
会社全体の売上が1本値で集計されるよりも、各部門の売上数値が集計された方が、管理上都合が良いために紐付けを行います。
もちろん、部門別の売上値を知りたいだけであれば会計ではなく、売上システムを利用すれば部門別の売上値は集計されます。
しかし、部門別の利益を知りたい場合は会計を使う他はありません。利益は、売上から、仕入、給与、その他経費等を差し引かないと算出できないためです。
逆に言えば、会計では、売上だけでなく、仕入、給与、その他経費等の勘定も部門別に紐付けを行う必要があるという事になります。
つまり実際上は、イメージ@は以下のイメージに修正されます。
イメージC
イメージ@ABの段階では、勘定を「箱」、補助を「区切り」、部門を「紐付け」、と表現していましたが、
実際上は、勘定数×補助数×部門数の箱があり、そのどれかに「数値」を入れていく作業が会計です。
例えば、勘定数が100、補助数が10、部門数が10あった場合は、100×10×10=10,000個の箱が利用可能であるということです。
もちろん全ての勘定に補助と部門が必要な訳ではなく、補助のみの勘定、部門のみの勘定、補助と部門両方利用の勘定、補助と部門両方不使用の勘定があること、及び各勘定によって利用する補助の数は大幅に異なることから、結果的に使う箱はイメージCのように綺麗な立方体にはなりません。
また、一昔前は、勘定(ストックかフローか)によって補助か部門の一方のみを利用しましたが、PCの性能が上がった現在では必要に応じて両者を利用します。例えば、租税公課勘定に印紙税や固定資産税など補助科目を設けて区分集計すると共に、部門別管理する場合などが典型例です。
決算書は成果物ですので、これを作り上げることが「会計」の最重要目的であることは確かですが、決算書は物理的には箱の数値合計を集計したものに過ぎません。
ここでは「会計」とは数値を箱に入れる手続きで、箱の数は思ったより多い、ということを理解して頂きたいと思います。
数値をその内容を示す適切な箱に入れてあげるのが「仕訳」作業と言いました。
「仕訳」作業はどのように行われているのでしょうか。
一般的には、知識と経験を持った人間が仕訳処理を行っています。
具体的作業は会計機への入力作業です。
「こうだから」ココ、「こうでこうだから」ココ、「こうでこうでこうだから」ココというように、判断して、いづれかの箱に数値を入れて行きます。
これは機械にもできます。「こうだから」、「こうでこうだから」、「こうでこうでこうだから」を機械に覚えさせれば、同じ判断・処理を行います。
担当者ベースで1つの数値を複数に区分したり、別の数値を付加したりする場合があります。
例えば、元利合計での借入返済額を利息と元本に区分したり、入出金時の振込手数料控除額を付加する場合などです。
処理担当者はどこか(例えば**システム)にあるデータを参照して、判断を行っていることが想定されますが、機械もそのデータを参照できれば、同じ判断・処理を行えます。
ちなみに決算処理(税効果処理等)は特殊なもの、という印象があると思いますが、実際はこれも全く同様に機械で自動処理できます。
・スピード
何と言ってもそのスピードが違います。
例えば1万件の仕訳を機械で行った場合、数分で処理が終了します。
このスピードにより、データ入手の当日ないしは翌日には、部門別月次決算を組むことができ、会計データを経営に生かすことが可能になります。
・正確性
次に正確性が違います。
機械が行っているので、当然と言えば当然です。
もちろん、判断基準の登録ミスを行えば、間違った処理が行われることも確かです。
この場合はミスに気付いた時点で、機械で再処理を行えば瞬時に正しい処理に修正されます。
この正確性により、長期間での期間比較性を保つことができ、会計データを経営に生かすことが可能になります。
・担当者の質に左右されづらくなる
処理担当者は異動するのが普通ですが、担当者変更による影響は最小限に抑えることができます。大半の判断基準は既に機械が覚えているためです。
この特徴は、スピード・正確性という物理的特性とは異質のものですが、実務上は非常に頭の痛い問題であり、この問題が解消される点は大きいと思います。
各社各様でデータの在り方は様々ですので、状況に応じて、PC(含むサーバー)で動かせるもので、プログラムが書けるもの、を適宜に使用すれば良いと思います。
ポイントはコストをなるべく掛けずに、短期間で実働させることができるものを利用することです。
なお、機械化によって余計な仕事を作ってしまったのでは逆効果になってしまいますので、「データを区分しない」という点も重要なポイントになります。データを区分すると、そこに別の仕事が必ず発生し、そこに人が張り付きます。この点は機械化に限らず、データフロー検討時の重要なポイントです。
この点では、業務データ作成時点で同時に会計データを作成してしまうのは望ましい形です。例えば、総合振込データ作成時点で同時に会計データを作成してしまう場合などです。この場合は発注管理システムと繋げることで、更にスピードと正確性がupします。
ちなみに、会計機はデータの集計を行うためのデータベースに過ぎませんので、各社の会計機は外部とのデータのやり取り(仕訳データのインポート・エクスポート利用)ができれば、何でもかまいません。
イメージからすると、各社の会計機に向かって、いろいろな機械からデータを送り込むことで、会計機にデータを落とし込む、というイメージです。
イメージD

会計は何のために行っているのか、誰のために行っているのか、という点は多くの議論が行われてきた論点です。
結論からすれば、立場によってその目的・対象が異なり、また、その目的・対象は複数あり、各社によってその優先順位が異なるということです。
例えば、上場会社では多くの株主よりお金を預っていますのでその説明責任の優先順位は最上位にあるべきものですが、オーナー社長企業では、それよりも金融機関対策の優先順位が高いでしょうし、無借金であれば税務署対策が最優先となっていると思います。
しかし、いづれの会社にも共通する目的が、経営管理目的です。
具体的には、月次試算表を作成して、会社の状況をチェックしていることと思います。
月次試算表の開示時期に満足していますでしょうか?
その時期を早める手立てがあります。機械化を進めてしまう方法です。
月次試算表の内容に満足していますでしょうか? 会社が見えるようになっていますでしょうか?
会社を見える化するには、数値(デジタル)のグラフ化(アナログ化)が不可欠です。
そのグラフ化(アナログ化)も自動化(機械化)することが望まれます。
また、会社を見える化するには、発生主義の会計データだけに頼っていては不十分です。キャッシュフローは見える化していますでしょうか?
キャッシュフローの見える化も自動化(機械化)することが望まれます。
会計データを経営に役立てる方法、つまり会社を見える化する方法は、各社の会計機の後ろも機械化を進めてしまうことです。
逆に言えば、この部分、つまり経営に役立つデータを作成し、会社の見える化を行う仕組みがないと、折角の会計処理の機械化も経営に十分生かせないものに終わってしまう事になります。
イメージE

「会計」業務そのものは直接にはキャッシュを生みません。
従って、できれば業務そのものを無くしてしまいたい、と考えることもあると思います。
一方で、そうは言っても、やらない訳に行かないからやっている、といった場合も多いことと思います。
例えば、100のエネルギーを投入して、100のアウトプットが出ているのが現状であったとして、
この状態を効率化によって何とか、90のエネルギー投入に落とせないものだろうか、
ないしは、エネルギー投入は増やさずに110のアウトプットに増やせないものだとろうか、
と試行錯誤しているのではないでしょうか。
例えれば機械化は、10のエネルギー投入で、1000のアウトプットを手にできる可能性を持っています。
(データ処理量が多いほど、複雑であればある程、機械化によるメリットは増大します)
イメージF
これが機械化を進めた場合の「会計」のイメージです。
どんどんデータを会計機(データインポート・エクスポートができるデータベースであれば何でもよい)に流し込んで、その後は自動で経営管理データが取り出せる環境です。
IT技術が進み、かつ身近になった現在では、この環境を各社が作り上げることが可能です。
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